日陰でも育つ、耐陰性の強い観葉植物
日当たりの悪い室内でも育ちやすい、丈夫な観葉植物をお探しでしょうか?玄関先や寝室など、日当たりがそれほど良くない場所だとしても、お気に入りの観葉植物を置くことができたら素敵ですよね。
日光が十分にあたらない場所でも育つおすすめの植物や、日のあまり当たらない場所で観葉植物を育てるコツなどご紹介します。
日陰と日なた、観葉植物にとって良いのはどちら?
植物といえば、日光に十分当てないといけない!と考えられがちですが、観葉植物は本来、熱帯の密林の中で育つものが多いため、あまりに強い日光は苦手だったりします。「日に当てないと」と思って直射日光に当ててしまうと、葉が日焼けして白くなったり、枯れたりしてしまいます。
とはいえ、全く日が当たらない場所では光合成ができませんので、適度な日当たりは必要です。
温室やお店など、十分に明るい環境で育った植物を購入して、室内の暗い場所にいきなり持ってくると、数日で一気に葉が落ちてしまうことも良くあります。その後、また葉が出てきますが、貧弱な葉しか育ちません。
「耐陰性のある植物」とは、一般的に直射日光が当たらない場所でも育つ植物をいいます。レースのカーテン越しに直射日光を遮るような空間なら、ほとんどの観葉植物は育てることができますが、蛍光灯や白熱級の光だけしか当たらない場所でも育つ観葉植物もあります。
日陰でも元気に育つ!おススメ観葉植物
それでは、比較的手に入りやすい、日陰に強い観葉植物を紹介します。
ポトス
- 原産地:熱帯アジア
- 置き場所:一年中室内に置いていても枯れませんが、春と秋には日に当ててあげられると丈夫に育ちます。
- 水やり:5~9月はたっぷりと。秋からは徐々に控えめにし、冬のあいだは霧吹き程度に。
- 肥料:月1回程度液体肥料を。冬のあいだは肥料は不要です。
つる性の観葉植物の代表格ポトス。初心者でも育てやすい人気の観葉植物です。
ポトスはテレビ台や棚の上など、高さのある場所に置くと、つるがぐんぐん伸びて、インテリアグリーンとしての存在感もアップします。
種類も豊富で、なかでもポトス・パーフェクトグリーンという品種は長期間日陰の状態にあっても育てることができます。
どの種類も寒さには弱く、15度以上の環境で元気に育ちます。
窓がないトイレのような暗い場所では光合成も出来ず、育ちません。暗い場所に置きたい場合は、2鉢用意して1週間ごとに明るい場所と暗い場所に交互に置いてやるとよいでしょう。
アイビー
- 原産地:北アフリカ、ヨーロッパ、アジア
- 置き場所:一年中風通しの良い明るい室内でも育ちます。真夏の直射日光に長く当てると、葉焼けをおこしてしまいます。
- 水やり:5~9月の生育期には毎日たっぷりと。春、秋は3~5日に1回、冬は1週間に1度程度に控えるように。
- 肥料:粒状の化成肥料を少しか、液体肥料を月3回ほど。
アイビー(別名ヘデラ)は日陰でもよく育ち、暑さ寒さ、乾燥に強い、育てやすい植物です。
葉の色が単色グリーンや、斑入りのもの、葉の形もとんがっているものや、ハートの形のような種類など様々。丈夫なので壁面緑化などでもよく見かけます。アイビーだけを植えるのも素敵ですが、寄せ植えでも人気があります。
アイビーは高い位置に飾って垂れた姿を楽しんだり、フレームなどにからませてトピアリーのように飾っても素敵です。
日の当たらない場所でも育ちますが、葉の色が薄くなったり、茎が弱々しくなってしまうので、日中は窓際など日当りのよい場所においてあげましょう。
パキラ
- 原産地:メキシコ、南アメリカ
- 置き場所:エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。
- 水やり:水のやりすぎは注意。夏は土の表面が乾いたらたっぷりと、葉水も有効です。冬のあいだは、土の表面が乾いてから2~3日後に与えるようにしましょう。
- 肥料:液体肥料なら2週間に1回程度、水やりの時に。
パキラは病虫害も少なく、挿し木で簡単に殖やすことができる、育てやすい観葉植物です。
発財樹と呼ばれ、金運を高めてくれるといわれており、開店祝いや新築祝い、結婚祝いの鉢植えとしても人気があります。
パキラは成長が早いので、すぐに鉢の中が根っこでいっぱいになってしまいます。
根づまりすると、水分を吸収しにくくなり葉が落ちやすくなってしまうので、鉢の下から根っこがはみ出ていたり、3年以上植え替えをしていないなら、一回り大きな鉢に新しい土で植え替えてあげましょう。
モンステラ
- 原産地:中央アメリカ
- 置き場所:レースのカーテン越しの窓辺など
- 水やり:5~9月の生育期は戸外に出して葉も茎もたっぷりと水をあげましょう。冬は土が乾いてから2~3日たってから水やりを。
- 肥料:与えすぎると大きくなります。室内で育てるなら肥料は控えめに。
インテリアグリーンとして人気のモンステラは、育てやすい観葉植物の一つです。
成長すると、葉に深い切れ込みができ、独特の形になります。これは、つ小さな葉っぱたちにも光が当たるようにしているとか・・・自然の力はすごいですね。
室内で育てる場合、大きく成長した葉にはホコリがつきやすくなります。時々、水で濡らしたティッシュなどで拭き取りましょう。
強い光を嫌い、暗い場所でも育つことはできますが、茎が細くなったり間延びしたような姿になってしまうので、ある程度明るい場所で。冬は室内のガラス越しに光をたっぷりあててあげましょう。
生育期にモンステラの葉が増えすぎてしまったら剪定を。
そのとき、切り口から出る汁に注意!皮膚がかぶれたり、炎症をおこしてしまうことがあります。
ペットが誤って食べてしまうこともあるので、注意しましょう。
オキシカルジューム
- 原産地:熱帯アメリカ
- 置き場所:レースのカーテン越しの窓辺など
- 水やり:5~9月の生育期は土が乾いてきたらたっぷりと。冬は水やりは控えめで、室内が乾燥しているときは、霧吹きなどで葉を湿らせましょう。
- 肥料:液体肥料を2週間に1回程度。
ハートの形をした葉が印象的なポトスの仲間であるオキシカルジュームは、オフィスやリビングのコーナーに置くインテリアグリーンとして人気があります。
耐陰性のあるオキシカルジュームですが、日当たりの悪い場所に長く置くと、葉の色が悪くなります。
また乾燥しすぎた場所では、ハダニが発生することがあります。霧吹きなどで葉に水をやる(葉水)などして、予防しましょう。
幸福の木
- 原産地:熱帯アジアからアフリカ
- 置き場所:明るい室内に。真夏の直射日光は避けるように。
- 水やり:5~9月の生育期は土が乾いたらたっぷりと。受け皿に水を残さないようにしましょう。冬は土が乾いてから2~3日たってから水やりを。
- 肥料:液体肥料を2週間に1回程度。
ドラセナの一種で、海外では「玄関先に置いておくと幸せが訪れる」と言われることから「幸福の木」と呼ばれ、ギフトとしても人気の観葉植物です。
耐陰性の強い観葉植物ですが、白熱球の光しか当たらない部屋に長く置くと、日照不足になり、葉が細く垂れてしまいます。時々は明るい日の当たる部屋に置いてやるか、日光浴をしてあげましょう。
ユッカ
- 原産地:北アメリカ
- 置き場所:室内なら明るく日が入る場所に。
- 水やり:5~9月の生育期は土が乾いたらたっぷりと。受け皿に水を残さないようにしましょう。冬は土を湿らす程度に。
- 肥料:夏は液体肥料なら2週間に1回、化成肥料なら月1回程度。冬のあいだは肥料は不要。
暑さ寒さに強く、丈夫な観葉植物のユッカ(別名:青年の樹)は存在感もあり、シャープなシルエットがインテリアグリーンとしてギフトとして大変人気があります。
丈夫とはいえ、急激な温度変化には弱いのでご注意を。冬に戸外で育てるなら、秋から外に出して寒さに慣らすようにしましょう。
ユッカの葉の色が悪くなってきたり、鉢底から根っこがはみ出してきたら、植え替えのタイミング。生育期に一回り大きな鉢に植え替えましょう。
シュロチク
- 原産地:中国
- 耐寒性:2~3度
- 置き場所:10月以降は日当りのよい窓際に。戸外の場合、強風を避けた半日陰で育ててあげましょう。
- 水やり:土の表面が乾きかけたらたっぷりと。
- 肥料:月に1回油粕を鉢土の上に。
耐寒性だけでなく耐陰性も強く育てやすい観葉植物で、江戸時代には日本へ渡ってきていたそうです。
育てやすいとはいえ、根詰まりや乾燥が続くと枯れやすくなります。2年に1回程度、5~6月の成育期に株分けをして植え替えを。
日陰では育ちにくい観葉植物
ここまでは日陰でも比較的育てやすい植物をご紹介しましたが、耐陰性があまりなく、お日様が好きな観葉植物も少しご紹介します。これらの植物は、室内の明るい場所で育ててあげましょう。
ベンジャミン
ベンジャミンは夏の強い直射日光は避けたほうが良いですが、日の当たる窓辺がベストポジション。日照不足な状態が続くと葉がパラパラと落ちてしまいます。
ガジュマル
ガジュマルも日光を好みます。春から秋はベランダなど戸外で丈夫に育てて、冬は日のよく当たる室内で管理しましょう。
耐陰性のある観葉植物で居心地のいい空間を作りましょう
観葉植物を玄関や部屋の中に飾ることは、インテリアのポイントになるだけでなく、家に帰ったとき「おかえりなさい」と迎えてくれるような気分になります。
部屋の換気を良くしたり、時々観葉植物を日当りのよい場所に置いてあげたりすることで、毎日の暮らしにゆとりが生まれます。
植物のイキイキとした生命力をわけてもらってリフレッシュしながら、居心地のいい空間作りを楽しみたいですね。